離散スペクトル幾何、即ちグラフの幾何学構造とグラフ上のラプラ シアンのスペクトルとの関係について、多くの研究がなされてきた。
本講演では、有限グラフ M の極大アーベル被覆グラフ上のラプラシアンのスペク トルを考察し、
M がある幾何的な構造をもてば、スペクトルは絶対連続なもののみ からなることを述べる。
特に、固有値は存在しない。さらに、ある正則グラフにつ いてはスペクトルが完全に決定される。