有限次元複素vector空間 V にcompact Lie群 K が 線型に作用しているとする. すると, K は V 上の多項式環 P(V) に自然に作用する. この作用 (K, V) がmultiplicity-freeであるとは, K の P(V) への作用を既約分解したとき, 各既約成分が重複度1で現れることである. このとき, 各既約成分に対して, 自然に不変式と 不変微分作用素が定まる. 今回は幾つかのmultiplicity-free作用に対して 不変式と不変微分作用素を具体的に記述する.