本講演では整数論における半整数ウエイトの保型形式に関する問題を扱う。 コーネンとザギヤによって、平方因子を持たない奇数をレベルに持つ場合の原始形式の保型 L-関数 の中心値と、その原始形式に志村-新谷対応で対応する半整数ウエイトの保型形式のフーリエ係数の 間の具体的な関係式が与えられた.本講演ではこの関係式(コーネン・ザギヤの公式)を、平方因子 や、より高い冪の因子を持つ奇数をレベルに持つ原始形式の場合に拡張する。原始形式のレベルが平 方因子を多く持つ場合、対応する半整数ウエイトの保型形式も数多く現れるため、ここではヘッケ 作用素の跡公式等を用いてそれら全てを決定した上で関係式を構成する。 また、この結果の応用として、任意レベルのコーネン空間に属するヘッケ同時固有なカスプ新形式 が、無限個の基本判別式におけるフーリエ係数によって決まることも証明する。