Alternating diagramとは,成分を辿ると交点の上下が交互に出てくるようなdiagramであり,alternating linkとはそのようなdiagramを持つlinkのことである。 1984年,W. Menascoはalternating linkに対して,alternating diagramのsplittability,primenessからそのlinkのsplittability,primenessが判定できることを示した。 これに対し,1992年,C. Adamsらはalternatingに近いものとしてalmost alternatingの概念を導入し,同様の結果が得られるかどうかを問題にした。

しかしながら,splittabilityの場合は2004年にT. Tsukamotoが肯定的に解決できることを示しているが、primenessについてはよく分かっていない。 今回私はW. MenascoとT. Tsukamotoの方法を用いることで,almost alternating linkのprimenessに対しても肯定的に解決することができた。 本講演では,その結果とその応用をお話し,時間が余れば今後の研究課題についてもお話していく予定である。