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微分の定義

実数上で定義された関数 $f$ の微分について、 一応少しだけ書いておこう。その導入方法はいろいろあるが、 ここではやはり $f$ のグラフにこだわって、《$f$ のグラフの、$x=a$ における 接線の傾き》と言う観点からみることにする。 $f$ のグラフの接線を引くには、グラフ上の二点 $(a,f(a))$ $(a+h,f(a+h))$を結ぶ線の傾き

\begin{displaymath}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}
\end{displaymath}

$h\to 0$ での極限を求めればよい。 (figure)

例によって、極限で 値を定義しようとするためには「その極限が本当に(ひとつに)定まるか?」 ということに注意を払う必要がある。(もちろん、極限が存在するかどうかは $f$ としてどのようなものをとるかに依存している。)この極限が存在する時、 《$f$$x=a$ で微分可能である》と言い、 極限値(グラフの接線の傾きだね)のことを

\begin{displaymath}f'(a)
\end{displaymath}

と書くんだ。

\begin{displaymath}f'(a)=\lim_{h\to 0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}
\end{displaymath}

$\mbox{${\Bbb R}$ }$ の各点で、$f$ が微分可能なら、

\begin{displaymath}f'(x)=\lim_{h\to 0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}
\end{displaymath}

として、 $\mbox{${\Bbb R}$ }$ 上の新しい関数 $f'(x)$が定義できることにも注意しよう。 (プライム($'$)がどこにつくかわかりにくい時には

\begin{displaymath}\frac{d}{dx}(f(x))
\end{displaymath}

とも書く。もっとかんたんに、$Df(x)$ と書く時もある。)



Yoshifumi Tsuchimoto
2000-04-12