最近、カテゴリー論に凝っています。 環論のようなものとは一味違って、またそこが面白くもあるのですが、 なかなか思うようには扱えません。 言いたいことはたくさんあるのに、うまく表現できない。 証明を正確に仕上げるにはどうすればいいのか、戸惑ってしまう。 ニュアンス、というか、勘所がよくつかめていないのです。 外国語で恋文を書いているような感じです。 こういう時には、次の言葉などを励みにしています。 -------------------------------------------------------------------- これはおれが大工になりたてのころの話なんだが、 朝から晩まででかくてりっぱなうちをたてることばかり考えていたんだ。 そりゃ夢にまでみたくらいだからな。 ところがノミやカンナなんて そのころのおれにゃなかなか思うように使えやしねえ。 はええ話が夢はでかいが腕がともなわねえってやつさな。 ちょうどいまのおめえとおんなじだよ。ハハハ。 だけどどうしていまのおれがおもうように家をたてられるようになったか わかるかい?えっ? よくばった考えをすてて、まずノミだけでも おもうように使えるようにとひとつひとつ 努力していったからなんだ。 (ちばあきお「プレイボール」集英社文庫版第二巻より引用) ----------------------------------------------------------------------- しかし、分かってはいても、つい、あれもこれもと欲張ってしまう。 ノミもカンナも同時に使いこなしたくなる。 どうやらまだまだ修行が足らないようです。 Tue Aug 12 JST 1997