現在、毎日新聞に「ともに勝つ」という連載がのっています。
城山三郎が石坂泰三の世界を描いた佳作「もうきみには頼まない」 のあとを受けた「私の生き方」シリーズのひとつで、
将棋観戦記者 加古明光さまが米長邦雄について綴っているものです。

話題になった連載のあとでもあり、 生きている人のことを書くせいもあってか、加古先生も かなりたいへんそうですが、次の引用文((2月11日付け 毎日新聞に掲載)は私の気に入りました。


将棋の天下をとる条件は、もちろん勝負に勝つことだが、
単に将棋が強いことだけではない。
人には、「飲む、打つ、買う」の道楽がついて回る。
これは避けられない。
この壁に当たった時が人間的な勝負だ。
これを乗り切ってなお社会人として通用しなければ
将棋界の第一人者の座は有り得ない。
酸いも甘いも知って、なお家庭が平和的でなければ ならない。

--米長邦雄 (もとの文は1973「将棋世界」9月号に掲載)


なんたる文の切れ味。こういう文章をたくさん 読みたい人は、ぜひ毎日新聞を御覧ください。
現在、連載は終了して、シノヤマキシンの話になってます。
「ともに勝つ」の単行本化に期待してます。
(たくさん手を入れないといけないので大変だとは思うのですが。)

Last modified: Sun Mar 30 1997