問題 5.1(前半)
と
との間の同型写像を一つ作りなさい。
(解答)
以下では多項式
の
,
でのクラスを
それぞれ
という風に表記することにする。
の元
を、
(考え方)
と
のように、同じ集合
を
二つの異なるやり方で類別することは、よく行われることではあるが、
諸君はかなり混乱していたようである。
したがって、以下ではちょっと記号を変えて、
順を追って見てみよう。
[step 1]
では、
は
と
同じ役目をし、
では、
は
と
同じ役目をしている。
が両方にでて来る所がポイントである。
[step 2]
互いに歩み寄ってみる。
step 1から、
では、
が、
と
同じ役目をしているし、
では、
が
の役目をしている。
この問いではどちらの体からでも他方の体に向けての 同型写像が定義できる。その定義のもとになるのはこの考察である。
[step 3] 同じ役目をしているもの同士を対応させる。
ここでは考えをしぼるために、
から
への対応を考えることにしよう。このさい、基本的になるのは、
はどの元に対応させるべきか。
である。
と同じ働きをする元に対応させねばならない。
step 2 から、
を対応させればよかろう、
ということになる。
[step 4]
に
を対応させるとして、
あとのものはどう対応するのか。
対応が準同型になるためには、
と対応せねばならない。このことから、たとえば、
しかし、今回のレポートではわけもわからずに「猿真似」して 変な式を書いてある答案も多かった。
[step 5] 対応はうまく定義されているか?
ようは、
あとは解答に述べた通りである。
(後半)
の
上の最小多項式を
求めなさい。
実際、
はこの多項式の根である。
この多項式が
上既約であることは、次のようにしてわかる。
もし、この多項式(二次式)が
上既約でなければ、
のなかに根
をもつはずである。この
に対して、
(考え方)