今日のテーマ:
本講義では多項式の先導項に着目した証明をあたえよう。 次の補題が重要である。
自然数の集合
に
を入れる立場と入れない立場があるが、
この講義では一貫して
と
を入れる立場をとる。
多項式環のイデアル
が与えられたときにそこに元が属するかどうかは
先導項をみながら割り算していけばよいので、上の補題からヒルベルトの基定理が
成立することを示すことができるというわけである。
ヒルベルトの基定理は大事でかつ基本的な定理である。 これはまたネータ環という言葉を用意してまとめておくこともできる。
ヒルベルトの基定理は、「体上の多項式環はネータ環である」といっておるわけだ。