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代数学II要約 No.4

今日のテーマ:

\fbox{群の表現の例}

後の二つの例のように、 群 $ G$ の表現 $ \rho:G\to GL_n(K)$ のなかには、$ \rho$ が 単射でないものもある。

定義 4.1   $ \rho$ が単射であるような表現のことを、 忠実な表現とよぶ。

置換表現など、いままでに挙げた表現は行列の成分に 0 と $ 1$ しか 出て来ないようなものばかりだったが、それだけでは面白くない。 実は群の全ての表現は、正則表現をうまく「分解」することにより 得られることが知られている。

「分解」などの詳細はもっと後の講義で述べることにして、 今日の講義では $ \frak S_3$ の置換表現から、如何に二次の表現を 作るかについて述べる。

補題 4.1  

問題 4.1   講義の例にならって、$ C_3$ の正則表現を分解して $ C_3$ の二次の表現を 作りなさい。

問題 4.2   $ \frak A_4$ の一次元表現のうち、恒等表現でないものを 一つ見付けよ。 (ヒント:$ \frak A_4$ の部分群のうち、位数 $ 4$ のものは正規部分群になる。 これをうまく利用する。)

問題 4.3   正則表現は置換表現の一種であることを例をあげて説明しなさい。



平成15年5月12日