今回は、気分を変えて、対称群の既約表現を実際に与える方法について(証明は抜きで)述べよう。
ヤング図形とは、正方形の箱を、縦横に次のような恰好で 並べたものである。
正方形の数が 個のヤング図形のことを、
次のヤング図形という。
実は
次の対称群
の既約表現は、
-次のヤング図形の分だけあって、
実際にそこから構成できることが知られている。
つまり、
の既約表現は
次のヤング図形
をひとつとって
そのおのおのの正方形に
から
までの数字を
だぶらないように書き入れたものを(
を台とする)ヤングの盤という。
ヤングの盤には、次のような調子で多項式を対応させることができる。
![]() |
||
![]() |
||
![]() |
の元は
-変数の多項式の全体に文字の置き換えで作用する。
の形の多項式に
の元を作用すると、
と同じ台を
もって文字をつけ替えたような別のヤングの盤
があって、
実は、 どうしは独立ではなく、関係式が幾つかあることに
注意せねばならない。
の既約表現は次の空間で与えられる。