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代数学II要約 No.13

今日のテーマ: \fbox{
復習と整理
}

(群 $ G$ の表現)=(群環 $ {\mathbb{C}}[G]$ の表現)

中心 $ Z({\mathbb{C}}[G])$$ S(g)$ で生成される

$ {\mathbb{C}}[G]$ の中心元はすべてある多項式をみたす。

表現は中心元の固有値で分解できる。

既約表現上では、中心元の作用は全て定数倍であらわされる。

$ \mathfrak{S}_n$ の表現はヤング図形から作ることができる。

次のことは、講義では扱わなかったが、覚えておくと便利だろう。

$ n$ 次のヤング図形 $ \lambda$ に対する $ \mathfrak{S}_n$ の表現 $ \pi_\lambda$ の表現空間 $ V_\lambda$ の基底として、

$\displaystyle \{\Delta_T;$   $T$ は $&lambda#lambda;$ を台とする標準盤$\displaystyle \}
$

をとることができる。 ここで、標準盤とは、各行ごとに、番号が右の方に向かって増加し、 各列ごとに、番号が下の方に向かって増加しているような盤のことをいう。

試験問題予想例(レポートではない。)

完全に同じ問題は出ない。どこかしら数字や、群などがかわって出題される だろう。

問題 13.1   $ \mathbb{D}_8=\langle a,b ; a^4=e,b^2=e,bab^{-1}=a^{-1} \rangle$$ a,b$ をそれぞれ $ (1 2 3 4),(1 2)(3 4)$ と同一視することにより $ \mathfrak{S}_4$ の部分群とみることができる。そこで、 $ {\mathbb{C}}[\mathbb{D}_8]$ の中心の元 $ c=a^2$ と、 4次のヤング図形 $ \lambda=\yng(3,1)$ に対して、 $ c$ $ \pi_\lambda$ 上での最小多項式を求めなさい。

問題 13.2   ある表現(ベクトル空間) $ V$ 上に元 $ z$ が(線型に)作用していて、 $ z$ $ z(z-1)(z-2)=0$ を満たしているとする。 このとき、$ V$$ z$ の固有空間(3つある)をそれぞれ $ f(z)V, g(z)V, h(z) V$ の形であらわせ。(具体的に $ f,g,h$ を求めよ。)

問題 13.3 (類題)   環 $ R$ の元 $ x$ の最小多項式が $ T(T-1)(T-2)$ であるとき、 $ x$ を用いて $ R$ の巾等元を3つ作れ。

問題 13.4   次のような条件を同時に満足する正方行列 $ A$ の例を挙げよ。(サイズは問わない)
  1. $ A^2(A-E)(A-2E)=0$
  2. $ A$ は非自明な3次の関係式を満足しない。

問題 13.5   $ \mathbb{D}_{2n}$ の群環 $ {\mathbb{C}}[\mathbb{D}_{2n}]$ の中心の( $ {\mathbb{C}}$ 上の)次元を 求めよ。



平成15年7月23日