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代数学II 要約 No.12

今日のテーマ

\fbox{群の集合への作用と表現}

定義 12.1   群 $ G$ の集合 $ X$ への作用とは、次のような条件を満たす写像

$\displaystyle G\times X \ni (g,x)\to g.x \in X
$

のことである。
  1. $ (g_1 g_2). x = g_1.(g_2. x)$ ( $ \forall g_1,g_2\in G, \forall x \in X$).
  2. $ e.x=x$ ( $ \forall x \in X$).

例 12.1   群 $ G$ と、その部分群 $ H$ が与えられたとき、$ G$$ G/H$

$\displaystyle g. [ x ] =[ g x ]
$

により作用する。($ [x] $$ x\in G$$ G/H$ でのクラス).

例 12.2   群 $ G$$ G$ への作用を次の三種類定義することができる。
  1. $ g. x=g x$. (左作用)
  2. $ g . x = x (g^{-1})$. (右作用)
  3. $ g. x = g x g^{-1} $. (共役による作用).

例 12.3   有限群 $ G$ が与えられているとき、 $ X=\{G$   の部分群 $ \}$ への $ G$ の作用が

$\displaystyle g. H= g H g^{-1}
$

により決められる。$ X$ として、 $ G$$ p$-シロー群の全体をとっても 同様に作用が定義される。

補題 12.1   $ G$ が有限集合 $ X$ に作用しているとする。このとき $ G$ から $ \mathfrak{S}_n$ ($ n=\char93  X$ )への群準同型が定まる。

問題 12.1   $ G$ が位数 $ 80$ の群であるとき、$ G$$ 2$-シロー群の数は $ 1$$ 5$ であることを示し、$ G$ には必ず正規部分群があることを示しなさい。



平成16年6月29日