解答:
(1)
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とおく。
であって、なおかつ
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であることを示そう。
そうすれば
であることがわかる。
Part 0)まずつぎの補題を証明しておく。
ならば
と書ける。両辺を二乗すると
仮定により、
とくに 後者の式から
(i)
の場合。
すなわち
がなりたつ。これは
(ii)
の場合。
がなりたつ。これは
どの場合も矛盾が生じたから、補題が正しいことが証明されたことになる。
Part I)
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を求めよう。それには
なる部分体の列を考えて、各ステップでの拡大次数を各々求めれば良い。 それぞれのステップでは、平方根を一つだけ付け加えているのであるから、 拡大次数は2か、または 1(全く拡大していない)かのいずれかである。
講義で述べたように、
は有理数でない。したがって、
つぎに、
のいずれも
の元でないことから、補題を用いて、
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がわかる。ゆえに、
さらに、
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である。これを
示そう。背理法で、
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と仮定すると、補題を
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の場合にもちいて、
の
いずれかが
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に属さねばならなくなる。再び補題を
(今度は
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として)もちいると、
のいずれかが
よって、
結局
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は
上のベクトル空間として
の
Part II)
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を求めよう。
の
上の生成元
の
共役はそれぞれ
のなかに存在するので、
は
の
有限次正規代数拡大、すなわちガロア拡大である。
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の元は
の
各々の行き先(それぞれ二通り)を決めてやると決まり、高々 8個しかない。
他方で、
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であるから、結局上記可能性の
すべてがガロア群の元として許されることになる。すなわち、
にたいして、
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を
Part III)
を示そう。
を
.
に作用させると、
Part I) の最後に注意したように、
がわかる。とくに、
(2)
であるから、
である。
(あ)
, すなわち
のとき。
このときは
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である。
(い)
, すなわち
のとき。
このときは
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である。
(う)
, すなわち
のとき。
このときは
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である。