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数学概論1A要約 No.7

\fbox{コーシー列}

定義 7.1   数列 $ \{a_n\}$ がコーシー列であるとは、

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$\displaystyle \forall \epsilon>0 \exists N
\forall n,m \geq N \quad \vert a_n-a_m\vert<\epsilon
$

がなりたつときに言う。

補題 7.1   実数の収束列はコーシー列である。

定理 7.1 (``定理1.8'')   コーシー列は収束列である。

問題 7.1   実数 $ x$ に対して、 $ x$ の整数部分を $ \lfloor x \rfloor$ と書き、 $ x$ の小数部分 $ x-\lfloor x \rfloor $ $ \langle x \rangle$ と ここでは書くことにする。 $ \alpha$ は無理数であるとする。このとき、
  1. 数列 $ \{ \langle n \alpha \rangle \}_{n=1}^\infty$ , すなわち

    $\displaystyle \{ \langle \alpha \rangle, \langle 2 \alpha \rangle,\langle 3\alpha \rangle,
\langle 4\alpha \rangle, \dots\}
$

    は収束する部分列を持つことを示しなさい。
  2. 任意の $ \epsilon >0$ に対して、

    $\displaystyle \vert\langle n \alpha \rangle - \langle m \alpha \rangle\vert < \epsilon
$

    を満たす整数 $ n,m$ の組が無限個存在することを示しなさい。
  3. 任意の $ \epsilon >0$ に対して、

    $\displaystyle \vert \alpha - \frac{k}{l} \vert <\frac{\epsilon}{l}
$

    を満たすような整数の組 $ k,l$ が存在することを示しなさい。 (ヒント: (2)は、$ n-m=l$ とおくとき

    $\displaystyle \vert l \alpha -k\vert < \epsilon
$

    がある整数 $ k$ にたいしてなりたつことを意味する。(なぜか?))

$ A$ $ \alpha$ アルファ  
$ B$ $ \beta$ ベータ
$ \Gamma$ $ \gamma$ ガンマ
$ \Delta$ $ \delta$ デルタ
$ E$ $ \epsilon,\varepsilon$ イプシロン
$ Z$ $ \zeta$ ゼータ
$ H$ $ \eta$ エータ
$ \Theta$ $ \theta,\vartheta$ シータ
$ I$ $ \iota$ イオタ
$ K$ $ \kappa$ カッパ
$ \Lambda$ $ \lambda$ ラムダ
$ M $ $ \mu$ ミュー
$ N$ $ \nu$ ニュー
$ \Xi$ $ \xi$ グザイ
$ O$ $ o$ オミクロン
$ \Pi$ $ \pi,\varpi$ パイ
$ P$ $ \rho, \varrho$ ロー
$ \Sigma$ $ \sigma, \varsigma$ シグマ
$ T$ $ \tau$ タウ
$ \Upsilon$ $ \upsilon$ ウプシロン
$ \Phi$ $ \phi$ , $ \varphi$ ファイ  
$ X$ $ \chi$ カイ  
$ \Psi$ $ \psi$ プサイ  
$ \Omega$ $ \omega$ オメガ  


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2007-05-25