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代数学 I No.12要約

\fbox{復習} 今日は先週の残りの証明を行なう。

ついでに &dotfill#dotfill;

No.10 の問題 (I) の解答。 問題の $ f,g,h$ にたいして、 $ k[X]$ のイデアル $ (f,g,h)$$ I$ とおく。 (じつは、

  $\displaystyle f=\left(X^2 + 3  X + 5\right)\cdot \left(X^2 + X - 1\right)$    
  $\displaystyle g= \left(X^2 + X - 1\right)\cdot \left(X^3 + X - 1\right)$    
  $\displaystyle h= \left(X^2 + 3  X + 5\right)\cdot \left(X^3 + X - 1\right)$    

であって、これに気づくと以降の話がずいぶんと楽に進む。)

$ f,g$ についてユークリッドの互除法を行なうと、

$\displaystyle l(X)=X^2 + X - 1=\frac{1}{111}((5 X^2 - 14 X + 22)f(X) + (-5 X-1) g(X)) \in I
$

を得る。次に $ l,h$ についてユークリッドの互除法を行なう。

$\displaystyle 1=\frac{1}{10}((4  X^4 + 15  X^3 + 34  X^2 + 31  X + 25) l(X)
+( - 4  X - 7) h(X))\in I.
$

このことから、$ I=k[X]$ がわかる。

&dotfill#dotfill;

問題 12.1  

(期限:次の講義の終了時まで。)

(I).
((i))
多項式 $ f,g,h\in$   $ \mbox{${\mathbb{Q}}$}$$ [X]$

  $\displaystyle f(X)=(X-2)(X-3)(X-10),$    
  $\displaystyle g(X)=(X-1)^2(X-3)^2(X-10),$    
  $\displaystyle h(X)=(X-1)^2 (X-2)(X-10).$    

で定める。このとき、
[Case 1].
$ p(X)=1$
[Case 2].
$ p(X)=(X-10)$
[Case 3].
$ p(X)=(X+1)(X-10)$
のそれぞれの場合について、

$\displaystyle a f +b g +c h=p
$

を満たす多項式 $ a,b,c\in$   $ \mbox{${\mathbb{Q}}$}$$ [X]$ は存在するだろうか。存在するならばそのような $ a,b,c$ の例を挙げ、 存在しないならばその理由を述べよ。
((ii))
$ \mbox{${\mathbb{Q}}$}$$ [X]$ のイデアル $ (f,g,h)$ を簡単にせよ。



2007-12-21