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日本語技法 No.1

本講義の進め方 :

1-7回までの基本課題 :

主に数学のかかわる場面において、(講義やレポート、試験 etc.)

言葉の意味を決めておく : 定義

議論を進める上で、まず大事なことは、ひとつひとつの言葉を 皆が同じ意味に理解することである。 (これは簡単なことではない。たとえば憲法9条の例を考えよ。)

言葉の意味を曖昧なく定めることを 「定義する」という。 たとえば、つぎの定義は、記号の使い方についての 取り決めである。

定義 1.1  

  $\displaystyle {\mbox{${\mathbb{Z}}$}}=\text{(整数の全体のなす集合)},$    
  $\displaystyle \mbox{${\mathbb{Q}}$}$$\displaystyle =$(有理数の全体のなす集合)$\displaystyle ,$    
  $\displaystyle \mbox{${\mathbb{R}}$}$$\displaystyle =$(実数の全体のなす集合)$\displaystyle ,$    
  $\displaystyle {\mathbb{C}}=$(複素数の全体のなす集合)$\displaystyle ,$    
  $\displaystyle \mathbb{N}=$(0 以上の整数のなす集合)$\displaystyle .$    

余談ながら、 $ \mathbb{N}$ 以外は、良く出て来る記号なので覚えておいたほうが良い。 $ \mathbb{N}$ について、「自然数」に 0 を入れる流儀と入れない流儀がある。 高校では混乱を避けるために一律「入れない」ことになっているが、 どちらが「正しい」というわけでもない。議論のあいだじゅう一律に 決めておけばそれでよい。

◎現代数学の建前では、

等から始まって、自然数、実数、複素数と定義していくことになっている。 しかし、それを全部この講義でやると時間がなくなること必定なので、 整数、有理数、実数、複素数、集合、写像などについては、 ある程度(つまり、高校卒業した程度)の知識があるとして以下議論を進める。 ただし、「躓き易い部分」については適宜解説する。





2007-10-02