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: この文書について...

日本語技法 No.7

$ \forall$$ \exists$ (その3)

前回の解答例は以下のようになる。

主張者 数式による翻訳 真偽 理由
A(例) $ \forall x \in$   $ \mbox{${\mathbb{R}}$}$% latex2html id marker 844
$ (x\geq 3)$ $ 1$ も実数だが $ 3$ 以上ではない。
B $ \exists x\in$   $ \mbox{${\mathbb{R}}$}$% latex2html id marker 852
$ (x\geq 5)$ $ x=10$ がその例である。
C(例) $ \forall x \exists y \in$   $ \mbox{${\mathbb{R}}$}$% latex2html id marker 858
$ (y\geq x+5)$ あなたの $ x$ に対して 生徒 C は $ y=x+6$ を用意すれば良い。
D(例) $ \exists x\in$$ \mbox{${\mathbb{R}}$}$$ \forall y\in$$ \mbox{${\mathbb{R}}$}$% latex2html id marker 868
$ (x\geq y+5)$ そのような $ x$ があったとすると、あなたが $ y$ として $ x$ をとると矛盾が生じる。
E $ \forall x \in$$ \mbox{${\mathbb{R}}$}$$ \exists y\in$   $ \mbox{${\mathbb{R}}$}$$ (x+y=3)$ あなたの $ x$ に対して 生徒 E は $ y=(3-x)$ とすれば良い。
F $ \exists x\in$$ \mbox{${\mathbb{R}}$}$$ \forall y\in$$ \mbox{${\mathbb{R}}$}$$ (x+y=3)$ そのような $ x$ があったとするとあなたが $ y=-x$ にとると矛盾が生じる。
G $ \exists x\in$   $ \mbox{${\mathbb{R}}$}$$ \exists y\in$   $ \mbox{${\mathbb{R}}$}$$ \forall z\in$   $ \mbox{${\mathbb{R}}$}$$ (xz=y)$ G が $ x=0,y=0$ と決めれば、 どのような $ z\in$$ \mbox{${\mathbb{R}}$}$ に対しても $ xz=0 z=0=y$ である。
H $ \forall x\in{\mbox{${\mathbb{Z}}$}}\exists y\in{\mbox{${\mathbb{Z}}$}}\exists z\in{\mbox{${\mathbb{Z}}$}}(z=\frac{x+y}{2})$ 先手の $ x$ に対して後手が $ y=x$ に選んだとしよう。 このとき先手は $ z=x$ を選べば良い。
I % latex2html id marker 919
$ \forall x\in{\mbox{${\mathbb{Z}}$}}\exists y\in{\mbox{${\mathbb{Z}}$}}\forall z\in{\mbox{${\mathbb{Z}}$}}(z\neq\frac{x+y}{2})$ 先手の $ x$ に対して後手が $ y=-x+1$ に選べば $ \frac{x+y}{2}=\frac{1}{2}$ は整数にならず先手が $ z$ としてどんな整数を選んでも負けである。

一般的に、「$ \forall$ のついた変数については先生(あなた)が言い、 $ \exists$ のついた変数については生徒(わたし)が言う」 というように役割分担をして、ゲーム仕立てにすると分かりやすいようである。

問題 7.1 (気の利いた)   $ \exists$, $ \forall$ に関するレベル2かレベル3相当の問題 を作成し、問題と解答例を書きなさい。



平成19年11月29日