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解析学 IA演習 No.6

問題 6.1   $ n,m$ は 0 以上の整数とする。 二変数関数 $ f(x,y)=x^n y^m$ にたいして、 二階偏導関数 $ f_{xy}(=(f_x)_y)$ , $ f_{y x}(=(f_y)_x)$ をそれぞれもとめよ。 (但し $ x^0$ は ($ x$ が 0 であるかどうかに関係なく) $ 1$ であると 本問では約束しておく。)

問題 6.2   二変数関数 $ f(x,y)=\sin(xy^2)$ にたいして、 二階偏導関数 $ f_{xy}(=(f_x)_y)$ , $ f_{y x}(=(f_y)_x)$ をそれぞれもとめよ。

問題 6.3 (各1)   $ f:$$ \mbox{${\mathbb{R}}$}$$ ^2\to$   $ \mbox{${\mathbb{R}}$}$

\begin{displaymath}
% latex2html id marker 988f(x,y)=
\begin{cases}
\frac{xy (...
...q (0,0)$ のとき}\\
0 & \text{$(x,y)=(0,0)$ のとき}
\end{cases}\end{displaymath}

で定義する。このとき,
  1. $ f$$ (0,0)$ で連続であることを証明しなさい。
  2. $ (a,b)\in$   $ \mbox{${\mathbb{R}}$}$$ ^2 $ が、 % latex2html id marker 998
$ b\neq 0$ をみたすとき、$ f_x(a,b)$ を求めなさい。
  3. $ a\in$   $ \mbox{${\mathbb{R}}$}$ について、 $ f_x(a,0)$ を求め、つづけて(前問と併せて) $ f_x(0,b)$ を全ての $ b\in$   $ \mbox{${\mathbb{R}}$}$ について求めなさい。
  4. $ a\in$   $ \mbox{${\mathbb{R}}$}$ について、 $ f_y(a,0)$ を求めなさい。
  5. $ f_{x y}(0,0)(=(f_x)_y(0,0))$ $ (f_y)_x(0,0)$ とをそれぞれ求め、 両者が等しいか確認しなさい。

補題 6.1 (絶対積分評価)   閉区間上の(ベクトル値)関数

$\displaystyle g:[a,b] \to$   $\displaystyle \mbox{${\mathbb{R}}$}$$\displaystyle ^m
$

が区分的に連続(すなわち、$ [a,b]$ の有限分割が存在してそのそれぞれの区間で連続) であるとき、

% latex2html id marker 1032
$\displaystyle \vert\vert\int_a^b g(x) d x\vert\vert
\leq \int_a^b \vert\vert g(x)\vert\vert d x
$

問題 6.4 (各1)  
  1. 定数関数 $ g(x)=v$ に対して上の補題を証明しなさい。
  2. $ v_1,v_2 \in$   $ \mbox{${\mathbb{R}}$}$$ ^m$ $ a_1\in [a,b]$ が与えられていて、

    \begin{displaymath}
g(x)=
\begin{cases}
v_1 &\text{ if }x \in [a,a_1] \\
v_2 &\text{ if }x \in (a_1,b]
\end{cases}\end{displaymath}

    で定まるような関数 $ g$ に対して、上の補題を証明しなさい。
  3. 一般の 区分的に定数であるような関数に対して、上の補題を証明しなさい。

一般の区分的に連続な関数については、 上の問題の極限として補題が証明される。 以下の問題では、とくに断らない限り、絶対積分評価を用いて良い。

問題 6.5 (各1)   $ f:$   $ \mbox{${\mathbb{R}}$}$$ \to$   $ \mbox{${\mathbb{R}}$}$$ ^2 $

$\displaystyle f(x)=
\begin{pmatrix}
\cos(x)\\
\sin(x)
\end{pmatrix}$

で定義する。このとき、
  1. $ f(x)= f(0)+ x\int_0^1 g(t x) d t$ を満たすような $ g$ を一つ求めなさい。 (以下本問では $ g$ といえばこの関数をさす。)
  2. % latex2html id marker 1070
$ \vert\vert f(x)-f(0)\vert\vert \leq \vert x\vert$ が任意の $ x\in$   $ \mbox{${\mathbb{R}}$}$ について成り立つことを証明しなさい。
  3. % latex2html id marker 1075
$ \vert\vert g(x)-g(0)\vert\vert \leq \vert x\vert$ が任意の $ x\in$   $ \mbox{${\mathbb{R}}$}$ について成り立つことを証明しなさい。
  4. $ g(x)-g(0)=\int_0^1 h(s x) d s $ を満たすような $ h$ を一つ求めなさい。
  5. $ f$ の 0 での二次近似を求めなさい。すなわち、

    $\displaystyle f(x)=v_0+ x v_1 + x^2 v_2 + o(\vert x^2\vert)
$

    なる $ v_0,v_1,v_2\in$   $ \mbox{${\mathbb{R}}$}$$ ^2 $ を求めなさい。

問題 6.6 (各1)   $ f:$   $ \mbox{${\mathbb{R}}$}$$ ^2\to$   $ \mbox{${\mathbb{R}}$}$$ ^2 $

$\displaystyle f(
\begin{pmatrix}
r\\
\theta
\end{pmatrix})
=
\begin{pmatrix}
e^r\cos(\theta)\\
e^r \sin(\theta)
\end{pmatrix}$

で定義する。このとき、
  1. $\displaystyle f(
\begin{pmatrix}
r \\
\theta
\end{pmatrix})
= f(
\begin{pmatri...
...\\
\theta
\end{pmatrix} ) d t \cdot
\begin{pmatrix}
r \\
\theta
\end{pmatrix}$

    を満たすような 二変数 $ M_2($$ \mbox{${\mathbb{R}}$}$$ )$ 値関数 $ g$ を一つ求めなさい。
  2. % latex2html id marker 1114
$\displaystyle \vert\vert f(
\begin{pmatrix}
r \\
...
...egin{pmatrix}
0 \\
0
\end{pmatrix})\vert\vert \leq \vert\frac{e^r-1}{r} \vert
$

    が任意の $ (r,\theta)\in$   $ \mbox{${\mathbb{R}}$}$$ ^2 $ について成り立つことを証明しなさい。 ただし、$ r=0$ のときには 右辺の値は 0 と約束する。
  3. 一階偏導関数 $ f_r, f_\theta$ をそれぞれ求めよ。
  4. 二階偏導関数 $ f_{r r}, f_{r \theta}, f_{\theta \theta}$ を それぞれ求めよ。
  5. $ f$ の 0 での一次近似を求めなさい。 すなわち、

    $\displaystyle f(
\begin{pmatrix}
r \\
\theta
\end{pmatrix})
= v_0 + v_{10} r +...
...1} \theta + o(\vert\vert
\begin{pmatrix}
r \\
\theta
\end{pmatrix}\vert\vert)
$

    をみたす $ v_0,v_{10},v_{01}$ を求めなさい。
  6. $ f$ の 0 での二次近似を求めなさい。 (その定義は類推するか、講義を参照)


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2009-05-27