Next: About this document ...
微分積分学概論AI要約 No.10
定義 10.1

の部分集合

上で定義された

が

で連続であるとは、その定義域の全ての点

で連続であること、すなわち、
が成り立つときに言う。
上の定義は、
が開区間や閉区間に限らず、一般的に
適用できる形で述べられている。詳しくは多変数の場合に譲ろう。
時間の都合で述べるのは省略するが、極限についても同様のことがらが
成り立つ。教科書定理1.10を参照のこと。
上の定理は、下の定理の多変数版を用いるともっと鮮やかに証明される
定理 10.4
二つの連続関数の合成関数は連続である。
定理 10.5 (``教科書定理1.13'')
関数

が

で連続とし、

とする。このとき、

で、
を満たすものが存在する。
次のことは、「連続
グラフがつながっている」ということの
表現法の一つと言える。
定理 10.6 (``教科書定理1.14'', 中間値の定理)
関数

が閉区間
![$ [a,b]$](img21.png)
で連続(すなわち、
![$ [a,b]$](img21.png)
の各点で連続)とする。
このとき

と

の中間の値

にたいして、

をみたすような
![$ c\in [a,b]$](img26.png)
が存在する。
上の定理は、位相空間論において「連結集合の連続像は連結である」という
定理に一般化される。
(区間は実数直線の連結部分集合として特徴づけることができる。)
問題 10.1
とおくと、

は

において連続であることを定理9.2の(☆)にしたがって
(つまり、今回の定理達を用いずに)
証明しなさい。
問題 10.2
とおくと、

は


において連続であることを
定義にしたがって
証明しなさい。
問題8.1 解答。
である。これを示そう。
任意の
にたいして、
とおく。
すると、
を満たすような 任意の
に対して、
となることを以下に示そう。
簡単のため、
で定まる新しい変数
をもちいて、
と変数変換することにする。
により、
-
が成り立つことに注意する。
がなりたつ。
解説: 今回は文字で表されるような数 (
など)の
扱い方に
注目しよう。
以上を元に、上の証明の、4つの下波線部分を見てみる。
- 正の数
が与えられている。数学で「任意」という場合には
『どんな値が来ても以下の議論は大丈夫である。』という意味である。
したがって、
の値を証明するヒトの都合によって変更したりすることは
できない。
の値を決めている。この値は証明のなかで既に決まっているデータ
(今の場合は
) が決まった途端に確実に決まる。
が登場した。これは 決められた範囲
を動き回る。
それ以外には
『どんな値が来ても以下の議論は大丈夫である』ように以下の議論を組み立てる
必要がある。
は計算の便のための、いわば脇役である。
その値は
の値から確実に決まる。
ARRAY(0x8e5ae10)
Next: About this document ...
2009-06-22