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代数学III要約 No.11
例題
,
とおくとき、
,
ならば
[証明]
次のステップで証明する。
-



-

-



.
-


は
のガロア拡大であって、
その拡大次数は
.
-


の元
は
の行き先
(
の二通り。)
と
の行き先
(
の二通り)
により定まる。しかも、それら (
) 4通りの組み合わせは
すべてガロア群の元
として現れる。
-

の
ベクトル空間としての基底として
を取ることができる。
-
なら、 ガロア群


の元で、
を動かさないものは、
ガロア群の単位元(恒等写像)に限る。
上のように、
ガロア理論を知った上でなら、次の補題の内容が分かりやすくなる。
(この補題自体は、ガロア理論の構築そのものに必要であったので、
ガロアの基本定理(ガロア対応)を用いずに証明する必要があった。)
補題 11.1 (補題6.8再掲)

は無限個の元を持つ体とする。

上の代数的な元

が、ともに

上分離的ならば
をみたす

が少なくともひとつ存在する。
二重根号について。
次のような等式がある。
つまり、
は 右辺のように簡単化できる。
これを二重根号をはずすという。
同様に、次のような等式が成り立つことがわかる。
一方で、
は上のようには簡単にならない。
これは、次のように説明できる。
-
のガロア拡大
で、
を
元として含むものは、
も元として含む。
-


.
-

.
-

.
- もし、
が有理数
でもって
の有理係数の有理式としてかけるなら、


と
なって、上の事実と矛盾する。
2014-01-16