第 2回目の主題 :
「
」
は、「どんな
に対しても、
がなりたつ」という意味、
「
」
は、「なにかある一つの
に対しては、
がなりたつ」という意味で用いる。
正の整数の全体のことをこの講義では
と書く。
数列とは、数学的には次のように定義できる。
がなりたつときに言う。
で定義するとき、
(証明) 背理法で、
がある数
に収束したとする。
収束の定義の
として
を採用しよう。
ある
が存在して、
(※) | ![]() ![]() |
がわかり、
がわかる。
となって矛盾である。
よって、
はいかなる値にも収束しない。
で定義するとき、
(証明)
与えられた
にたいして、
として、
より大きい整数を一つとっておく。
(そのようなもの(すなわち与えられた実数よりも大きな整数)
が存在することは、「アルキメデスの原理」として
保証されているが、マアさしあたっては当り前だと思っても良い。)
この
が収束の定義の
の役割を果たすことを示そう。
実際、
なる任意の
にたいして、
となって、いずれの場合にせよ
で定義するとき、
念のためアルキメデスの原理のステートメントを述べておこう。
を満たすものが存在する。
全体を
で割っておけば、次のように言い換えてもよい:
どのような実数に対しても、それよりも大きな正の整数が
存在する。