微分積分学基礎 No.7要約

今日のテーマ:ロピタルの定理など

次のことが必要である。(先週に似たような議論)

定理 7.1 (コーシーの平均値の定理)   $ [a,b]$ を含む開区間上で微分可能な関数 $ f,g$ が与えられているとし、 % latex2html id marker 731
$ g(b)\neq g(a)$ と仮定する。 このとき、ある $ c\in [a,b]$ が存在して、 $ \frac{f(b)-f(a)}{g(b)-g(a)}=\frac{f'(c)}{g'(c)}$ を満たす。

証明のアイディア: $ l= \frac{f(b)-f(a)}{g(b)-g(a)}$ とおき、 $ F(x)=\frac(f(x)-f(a))-l (g(x)-g(a))$ に平均値の定理を用いる。

本題はこちら:

定理 7.2 (ロピタル)   実数 $ a $ の近くで定義されて、微分可能な関数 $ f,g$ が あるとする。このとき、極限

$\displaystyle \lim_{x\to a} \frac{f(x)}{g(x)}
$

が不定形であって、なおかつ極限

$\displaystyle A=\lim_{x\to a} \frac{f'(x)}{g'(x)}
$

が存在するならば、前者の極限も存在して $ A$ と等しい。

◎ロピタルの定理は、 $ \frac{\infty}{\infty}$ の形の極限や、 $ a=\pm \infty$ のときの極限等でも同様のことが成り立つ。