今日のテーマ:
一般に、
複素数体
や実数体
以外の体
でも、線形代数で習ったはずの
いろいろな事柄(線形空間、基底とその取り換え、次元。線形写像とその行列表現など)
がそのまま使えることに注意しておく。心配な人はここで少し復習しておくと
良いかもしれない。
の 拡大体
は
上のベクトル空間の構造を持つ。
そこで、
の
-ベクトル空間としての次元のことを
の
上の拡大次数 といい、
で書き表す。
のとき、
は
の有限次拡大であると言う。次の命題は体の拡大次数の方程式論的な意味を明らかにする。
の拡大体
と
の元
とが与えられているとする。
このとき、
が有限であることと、
が
上代数的であることは
同値である。
なら、
は
の
上の最小多項式の次数と等しい。
が
をみたすならば
拡大次数の間に
の有限次拡大体
の元は全て
上代数的である。
と、その拡大体
が与えられているとする。
このとき、
の 元で、
上代数的な元同士の和、差、積、商はまた
上代数的である。つまり、
の元で
上代数的なものの全体
は体をなす。
とその拡大体
が与えられているとする。このとき
の元
を
に付け加えてできた体
(言い換えると
と
を含むような
の
部分体のなかで、最小のもの)を
と書く。
(環
との違いに注意。)
とその拡大体
が与えられているとする。このとき
の
代数的な元
について、次のことが成り立つ。
を
に付け加えてできた体
の元はどれも
上代数的である。
は
上代数的であることを示しなさい。
の
上の最小多項式を実際に求めることもできる。例えば次のようにすれば良い。
とおく。このとき、
であることを示しなさい。
を展開し、それが

の元であることを確かめなさい。
は
を満たすことを示しなさい。