理工系線形代数学 No.10要約

今日のテーマ: ベクトル(2)

定義 10.1   ベクトル空間の元 $\mathbbm v_1 ,\ \mathbbm v_2, \ \dots , \ \mathbbm v_n $ が一次従属であるとは、非自明な1次の関係式

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$\displaystyle c_1\mathbbm v_1 +c_2 \mathbbm v_2+ \dots +, c_n \mathbbm v_n
=0 \qquad(c_1,c_2,\dots c_n \in$   $\displaystyle \mbox{${\mathbb{R}}$}$$\displaystyle )
$

を満たすときにいう。 $\mathbbm v_1 ,\ \mathbbm v_2, \ \dots , \ \mathbbm v_n $ が一次従属でない時、一次独立であるという。

定義 10.2   ベクトル空間 $V$ の元 $\mathbbm v_1 ,\ \mathbbm v_2, \ \dots , \ \mathbbm v_n $$V$ の基底であるとは、次の2つのことが成り立つときにいう。
  1. $V$ の任意の元は $\mathbbm v_1 ,\ \mathbbm v_2, \ \dots , \ \mathbbm v_n $ の 線型結合で書ける。
  2. $\mathbbm v_1 ,\ \mathbbm v_2, \ \dots , \ \mathbbm v_n $ は 一次独立である。

$n$ 個の元からなる基底が存在するようなベクトル空間を $n$次元ベクトル空間という。

$n$ 次元ベクトル空間 $V$ をとろう。定義により $V$ には $n$ 個の 元からなる基底 $\mathbbm v_1 ,\ \mathbbm v_2, \ \dots , \ \mathbbm v_n $ が存在する。 $V$ の元 $\mathbbm x$ $c_1 \mathbbm v_1+ c_2\mathbbm v_2+ \dots +c_n\mathbbm v_n $ と 書くことができる。 $\mathbbm x$ に数ベクトル $[c_1,\dots,c_n]$ を対応させることで、$V$ を具体的な空間 $\mbox{${\mathbb{R}}$}$$^n$ と同一視できる。

補題 10.3   $n$ 次元計量ベクトル空間 $V$ については、次のような基底が存在する。 (正規直交基底)

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$\displaystyle v_i\cdot v_j = \delta_{ij}\quad ($クロネッカーのデルタ$\displaystyle )
$

この基底を採用すると、ベクトルの内積は数ベクトルの標準内積に 対応する。

一般の $n$ 次元ベクトル空間 $V$
$\mbox{${\mathbb{R}}$}$$^n$
基底 $\mathbbm u_1,\dots , \mathbbm u_n$ 基本ベクトル $\mathbbm e_1,\dots , \mathbbm e_n$
$\mathbbm v=\sum_{i=1}^n c_n \mathbbm u_i $ $[c_1,c_2,\dots,c_n] $
内積 $[c_1,c_2,\dots,c_n]\cdot [c_1',\dots,c_n']=\sum_{i=1}^n c_i c_i' $