今日のテーマ: 行列の対角化。
次正方行列
の固有値
の固有ベクトル
に対して、
が成り立つ。とくに
が、一次独立ならば、
は可逆で、
の対角化という。
を
次の正方行列、
は可逆だとする。
このとき、任意の
次正方行列
に対して次のことがなりたつ。
.
(
).
.
を
次の正方行列、
は可逆だとする。
とおくとき、
が対角行列であるか否かにかかわらず、
に対して、
.
の固有多項式と
の固有多項式は等しい。
のときには、
.
の固有多項式は
と等しい。
*上の命題の極限を考えることにより、行列の
も
同様に計算することができる。これは微分方程式の解法などでとくに有用である。
次正方行列
の固有値
の固有ベクトル
があったとする。もし、
がどれも異なれば、
は一次独立である。
次正方行列
の
個の固有値が実数で、互いに相異なれば、
は
対角化可能である。*話を複素数にまで拡張しておくと、つぎのように単純化される。
次複素正方行列
の
個の固有値が互いに相異なれば、
は
対角化可能である。
*
行列
の固有値は
で、固有ベクトルは
の
一つだけである。よって
は対角化できない。
の固有値は
で、対角化できない。
一般の、対角化不可能な行列については、座標変換で「ジョルダンの標準形」までは
持っていくことができる。詳しくは線形代数の進んだ成書を参考のこと。
いくつかの猫の絵を線形変換で移してみた。 (猫の絵は
https://pixabay.com/vectors/cat-cool-remeras-helical-helix-1294968/
から借用。ライセンスはそちらを参照のこと)