環論 練習問題

言うまでもないことだが、数値的な答だけでは十分ではない。 論理的な説明がもっと大事である。

今年度は一変数多項式の既約性の話をしなかったので、(難)のところは 正しいと仮定しないと辛いだろう。

問題 16.1   $m(X)=X^4+X+1$ とし、$m$ の根の一つを $\alpha$ とおく。 $\mbox{${\mathbb{Q}}$}$$[X]$ から $\mbox{${\mathbb{Q}}$}$$[\alpha]$ への環準同型写像 $\varphi$ $\varphi(X)=\alpha$ となるように決める。このとき、
  1. $p(X)\in$   $\mbox{${\mathbb{Q}}$}$$[X]$ に対して、 $\varphi(p)$ を求めよ。
  2. $m(X) \in \operatorname{Ker}(\varphi)$ であることを示しなさい。
  3. (難) $m(X)$ $\mbox{${\mathbb{Q}}$}$$[X]$ の既約元であることを示しなさい。
  4. $\operatorname{Ker}(\varphi)$ の元は必ず $m(X)$ で割り切れることを示しなさい。
  5. $\varphi$ に対して準同型定理を適用し、得られる環の同型を書きなさい。

問題 16.2   % latex2html id marker 859
$ \beta=\sqrt[3]{6}$ とおく。 $\mbox{${\mathbb{Q}}$}$$[X]$ から $\mbox{${\mathbb{Q}}$}$$[\beta]$ への環準同型写像 $\varphi$ $\varphi(X)=\beta$ となるように決める。このとき、
  1. $p(X)\in$   $\mbox{${\mathbb{Q}}$}$$[X]$ に対して、 $\varphi(p)$ を求めよ。
  2. $X^3-6 \in \operatorname{Ker}(\varphi)$ であることを示しなさい。
  3. (難) $X^3-6$ $\mbox{${\mathbb{Q}}$}$$[X]$ の既約元であることを示しなさい。
  4. $\operatorname{Ker}(\varphi)$ の元は必ず $X^3-6$ で割り切れることを示しなさい。
  5. $\varphi$ に対して準同型定理を適用し、得られる環の同型を書きなさい。