今日のテーマ: 授業の目標, ベクトル空間及び線形写像の復習。
「スカラー」の集合を一つ決めておかなければならない。
が体であるとは、
が和、差、積、商について
閉じた集合であるときにいう。
詳しくいうと
が体であるとは、
が和(+)、積2つの演算について閉じていて、以下の条件を満たすときに言う。
詳しくは体論でやる。
は和について可換群である。
すなわち
.
には
と呼ばれる特別の元があって、
がなりたつ。
の任意の元
は積について可換半群である。つまり、
結合法則
には
がなりたつ。
の任意の元
本講義では
としては
をよく用いるが、
の場合を考えることも時には必要である。
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としたときのベクトル空間を
上のベクトル空間とか、
実ベクトル空間といい、
としたときのベクトル空間を
上のベクトル空間とか、複素ベクトル空間と呼ぶ。
ベクトル空間とは、その中で和とスカラー倍ができるような集合のことである。 ただし和とスカラー倍は次の法則を満たす必要がある。
(
.
).
such that
.
.
ベクトル空間
にたいして、
から
への線形写像とは、
から
の写像であって、和とスカラー倍を保つもののことである。
,
の基底をとることで、線形写像は行列で表せるのであった。
行列としては何でもありうるわけだが、
基底のとり方を上手に選べば、簡単な行列を扱うだけで済むようにできる
場合がある。
とくに、
の場合が本講義の主題である。
この場合には、
と
とを比較できるということが一般の場合と異なる。
一番基本的なのは対角行列である。
本講義では、次のようなことについて学ぶ: