体論要約 No.9

今日のテーマ:ガロア拡大とガロア群

[今日はおもに No08のプリントを使います。 ]

補題 9.1   $K$ を体、 $L=K(\gamma)$ をその有限次単純代数拡大とする。

$\Omega$$K$ の拡大体とするとき、

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$\displaystyle \char93  \operatorname{Hom}_K^{{\operatorname{alg}}}(L,\Omega) \leq [L:K].
$

うえの不等式で等号が成り立つための必要十分条件は、 次の2つのことがともに成り立つことである。

  1. $\gamma$ の最小多項式 $m(X)$$\Omega$ の中で一次式の積に分解される。
  2. $\gamma$ の最小多項式 $m(X)$$\Omega$ の中に重根を持たない。
(これは $K$$L$ のガロア拡大であることにほかならない。)

補題 9.2   $K$ を体、 $L=K(\gamma_1,\gamma_2,\dots,\gamma_k)$ をその有限次代数拡大とする。 もし、 $\gamma_1,\gamma_2,\dots,\gamma_k$ のどの元もその $K$ 上の共役が $\Omega$ 内にすべて存在し、それぞれが $K$ 上重根を持たない方程式を $K$ 上でみたせば、

$\displaystyle \char93  \operatorname{Hom}_K^{{\operatorname{alg}}}(L,\Omega) = [L:K].
$

9.3   $K$ を体、 $L=K(\gamma_1,\gamma_2,\dots,\gamma_k)$ をその有限次代数拡大とする。 もし、 $\gamma_1,\gamma_2,\dots,\gamma_k$ のどの元もその $K$ 上の共役が $\Omega$ 内にすべて存在し、それぞれが $K$ 上重根を持たない方程式を $K$ 上でみたせば、 $L$$K$ のガロア拡大である。