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二乗して
になる数として, 虚数単位
をご存知の方も
多いでしょうが, 4乗して
になる数については,
初級段階で触れられることが少ないので,
ここでちょっとだけ述べてみることにします.
を解けばよいのです. これを
と因数分解してみると, 後は二次方程式を解くことに帰着されて,
という具合になります. つまり, 4乗して
になる数は存在します. (4つもあります)
これらは, 4乗して
になる数と併せて正8角形の頂点をつくります.
一般に
乗して
になる数は
個あり,
それらを順に結ぶと単位円に内接する正
角形ができます.
の場合には,
の根全体が, 正
角形を作るわけです.
この方程式の根のうち,
は自明ですから, それを省きましょう.
の根は
です. ただし, ここで
です. ガウスは三角関数をよく知っていたはずですし,
「喋れるようになる前から計算していた」と自ら語るだけの計算達者ですから,
これらの値を手早く計算できたに違いないのですが,
それで終らせはしませんでした.
かれは 19歳のとき,
を代数的に解くことができることを発見したのです.
それは上記の数値を求めたり, 正17角形の作図法をあたえる, ということが
面白かったということもまあ多少はあったのでしょうが,
我々があとからいろいろなことを知った後でみてみると,
彼はむしろ方程式(とその根)の構造そのものの美しさをみて喜んだとみるほうが
妥当だと思われます.
上の16次方程式
の根は整数から始まって, 足し算, 引き算, かけ算, 平方根
を用いて書くことができます. この仕組みを理解し, 美しさを味わうのが
本文の目標です.
2002-08-15