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自己相反多項式

$f(X)$ は、その係数が上から読んでも下から読んでも同じになっている( 自己相反多項式)ので、 $f(X)/X^8$$X$$1/X$ の対称式 になっていることが分かります. このことは, $f(X)/X^8$$Y=X+1/X$ の多項式として 書くことができることをしめしています.

\begin{displaymath}f(X)/X^8 =Y^8+Y^7-7Y^6-6Y^5+15Y^4+10Y^3-10Y^2-4Y+1
\end{displaymath}

(計算のときには, つぎのような補助計算をしておくとよいでしょう.
\begin{align*}&Y^2-2=X^2+1/X^2 \\
&(Y^2-2)^2-2=X^4+1/X^4\\
&((Y^2-2)^2-2)^2-2=X^8+1/X^8
\end{align*}
あとはこれらをたしていけばよいわけです. )

さて, このように置き換えてみると, $ f(X)=0$ を解くという問題は二つに 分けて考えることができます.

二番目の問題は,

\begin{displaymath}x^2-yx+1=0
\end{displaymath}

という二次方程式を解くことになるので,

\begin{displaymath}x=\frac{y\pm\sqrt{y^2-4}}{2}
\end{displaymath}

とすぐに求まります. そこで 8次方程式を解くことに問題がしぼられるのですが, まだまだ道は遠そうですね.




2002-08-15