マッチ棒で作った三角形が三つあります。2本を動かして、三角形が1個も残らないようにしてください。
これは残念ながら数学では解けませんね。△−△=空白だから、
三角形は無いというのはこじつけですね。この引き算の定義は何だろうと思ってしまいます。この講義ではきちんと
解ける問題について考えていきます。
例えば、下の図を一筆書きしなさいという問題などは、次のトポロジーの定理
を用いれば、左下の矢の部分からはじめ矢の先の三角の付け根で終わるように描けます。その逆も当然出来ます。中間の描き方はいろいろありますね。
これはまともな問題です。だから数学が使えます。
これに次のオイラー数の定理を用います。
定理
点と線でかかれた平面上の図形では、vを点の数、eを辺の数、fを辺で囲まれる面の数とすると
v ― e + f =1
☆hint☆
定理 一つの点に奇数本の線が集まっているようなところが2つ以下なら
その点からはじめれば一筆書き出来る
この講義では
このように一見数学の問題ではないような問題を数学の定理を用いて解いていきます。
定理の証明は数学者にまかせて、定理をどのように使うかを見ていきます。
今回はその題材としてマッチ棒パズルを選びました。現在マッチ棒自体が使われて
いるのかどうかは知りませんが、パズル自体は残っているようです。
その代表的な問題として、亀甲崩しがあります。それは次のような問題です。
(問題)マッチ棒12本で下の図の様に六角形が作ってあります。
いま、この図形には三角形が6個あるでしょう。
マッチ棒を2本動かして三角形を5個に、また2本動かして4個にという風に、最後に三角形を2個にまで減らしてください。
全てのマッチ棒は必ず三角形の辺か、辺の一部に使われていないとだめです。
上の図では v = 7, e = 12, f = 6 ですから合っていますね。
これが f = 2 になれば良いわけです。すると、v = 11 とならねばなりません。
これを一度にするのは大変ですから、問題にある通り、一つずつやっていけばよいのです。
二本動かして f = 5 にするには、点を一つ増やせばよいわけです。
どこでも良いのですが、マッチ棒という制限があるので、この図の外側しか
無いですね。そこで例えば右下に点を付け加えると、
となり、一つ減りましたね。これを続ければ答えが出るというわけです。