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この節のまとめ

等式

\begin{displaymath}\log(z)=\operatorname{Log}(\vert z\vert)+i\arg(z)
\end{displaymath}

の右辺で、$\arg(z)$ のとり方を制限することにより、 一価な関数 $\operatorname{Log}(z)$ を得ることは出来る。 しかしこの関数は他の重要な性質を完全には満たしておらず、 いつでも満足できると言うわけにはいかない。 もっと短く言うと、

$\log(z)$$z$ の一価関数として定義したい。

という欲求と、


\begin{displaymath}\log(z)+\log(w)=\log(zw), \quad \log(e^z)=z
\end{displaymath}

が($z,w$ の範囲に制限をつけたり $2\pi i$ の整数倍を度外視するといった ことをせずに無条件に)成り立って欲しいという欲求は相反する面を持っており、 同時に成り立たせるのは(このままでは)不可能である。



Yoshifumi Tsuchimoto
2000-04-12