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: の非可換実変型:環 : 複素射影空間 : シンプレクティック 商

$ \mathbb{P}^n$ with Fubini-Study 計量 を $ ({\Bbb C}^{n+1}\setminus \{0\},$standard 計量$ )$ の 商 と見る。

$ ({\Bbb C}^{n+1}\setminus \{0\},$standard 計量$ )$ には $ S^1$ が作用している。 Lie 環の作用を $ {\Bbb C}^{n+1}\setminus \{0\}$ の実座標系 $ (x_0,y_0,x_1,y_1,\dots,x_n,y_n)$ を使って表現すると、

$\displaystyle \theta\mapsto \theta
\sum_i
\left(
x_i\frac{\partial}{\partial y_i}-y_i \frac{\partial}{\partial x_i}
\right)
=X_\mu
$

となり、モーメント写像は、

$\displaystyle \mu=\frac{1}{2}\sum_i({x_i}^2+{y_i}^2)
$

で与えれば良いことがわかる。

$ \mu$ の各 fiber は $ 2n+1$ 次元球面であり、それを $ S^1$ で割れば 1.節のものと同じ $ \mathbb{P}^n({\Bbb C})$ を得ることになる。

良く知られているように、複素多様体においては、メトリックとシンプレクティック 形式がうまく対応づけられることがある。(このような多様体を ケーラー多様体と呼ぶ。) ケーラー多様体にリー群が作用していて、その作用が複素構造および シンプレクティック構造を保つなら、そのシンプレクティック 商 も ケーラー多様体であることがわかる。今の例はその典型であって、 それを用いて $ \mathbb{P}^n({\Bbb C})$ はケーラー多様体であり、計量が定まることがわかる。 それが Fubini-Study 計量 である。



平成16年8月24日