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栄養をとろう

次のような「ダジャレ空間」を考える。

$\displaystyle V_{\text{ダジャレ}}=
\left\{
\begin{pmatrix}
a\\
b\\
c
\end{pmatrix}; a,b,c\in \mbox{${\mathbb{R}}$}
\right\}.
$

ただし、以下では、$ a,b,c$ はダイコン、ジャガイモ、レタスの量を 100g 単位で考えたものとみなしたい。 ダイコン、ジャガイモ、レタスは それぞれは次のような栄養素をもっている。 ( いずれも100 g あたりの量を $ \mu$g 単位で書いてある。 文献を参考にしたので 当てずっぽうというわけでもないが、 かなりいい加減な数字にしてある。)
  ダイコン ジャガイモ レタス
ビタミン A 0 0 300
ビタミン C 10 15 5
カリウム 250 350 200
ナトリウム 20 1 2
葉酸 35 25 75

ダイコンを $ a$, ジャガイモを $ b$, レタスを $ c$ (単位は $ 100g$) だけ食べたとして、そのとき摂取した栄養はと言えば、上の表から

$\displaystyle \begin{pmatrix}
\text{ビタミン A} \\
\text{ビタミン C} \\
\text...
... 1 & 2 \\
35 & 25 & 75
\end{pmatrix}\begin{pmatrix}
a\\
b\\
c
\end{pmatrix}$

という行列算で得られるわけだ。 (単に表を行列の記号に直しただけであることに注意。数学者はずぼらだから 罫線なんかは引かないのだ。)

このようにして得られる写像

$\displaystyle V_{\text{ダジャレ}}\to \mbox{${\mathbb{R}}$}^{5}(=\text{栄養素の空間})
$

は線型写像の例である。

今は適当な栄養素だけを抜きだして計算したが、 栄養素の数を減らしても、増やしても、同様の話ができるし、 ダジャレ空間以外で同じような話を考えることもできる。

ほかにもこのような計算はあちこちで見られる。

「マトリックス(行列)はどこにでもある」

といわれるゆえんである。


平成15年1月30日