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: この文書について... : 疑似指数 Q and A : Q3.さらに、このWは非可測な集合になるのでしょうか?

付録

$ A$ が可測集合で、その測度 $ \mu(A)$ が有限ならば、

$\displaystyle f(r)=\mu(A\cap (A+r))
$

$ r$ の連続関数であることの説明を補足しておきます。 $ A$ の定義関数 $ \chi_A$

\begin{displaymath}
\chi_A(x)=
\begin{cases}
1 &x \in A\text{ のとき}\\
0 &x \notin A\text{ のとき}\\
\end{cases}\end{displaymath}

で定義します。すると、$ f$ は定義関数の積分としてあらわされます。実際、

$\displaystyle g_r(x)=\chi_A(x) \chi_A(x-r)=\chi_A(x) T_r(\chi_A)(x)
$

とおきますと、

$\displaystyle f(r)=\int g_r(x)
$

であることがわかります。

補題 4.1   $ \psi_i\to \psi $ ($ L^1$ 収束), $ \phi \in L^\infty$ なら、

$\displaystyle \int \phi \psi_i \to \int \phi \psi.
$

という補題をもちいますと、あとは次のことを示せば十分です。

補題 4.2 (Lebesgue の定理(平行移動の $ L^1$ 連続性))   $ \psi \in L^1 ($$ \mbox{${\mathbb{R}}$}$$ )$ なら、

% latex2html id marker 1550
$\displaystyle \int _a^b \vert \psi(t+h)-\psi(t)\vert \to 0 \qquad(h\to 0).
$

証明は$ \psi$ を階段関数で近似して、階段関数に対して上の補題が成り立つこと (これはほとんど明らか)に帰着させます。 詳細は、例えば溝畑茂先生の「偏微分方程式論」の 一番最初のほう(補題1.1)にも証明があります。



2002年10月9日