不分岐の場合

基本的には、穴のまわりを「何回まわるか」、が 大事になります。

$ L$ $ \mathbb{Q}$ のガロア拡大、 $ \mathcal{O}_L$ をその整数環、 $ \mathfrak{p}$ $ \mathcal{O}_L$0 でない素イデアルとします。 $ \mathcal{O}_L/\mathfrak{p}$ の標数を $ p$ とおきます。

  1. $ F:\mathcal{O}_L/\mathfrak{p}\ni x \mapsto x^p \in \mathcal{O}_L/\mathfrak{p}$ は体の同型である。
  2. $ F$ $ \mathcal{O}_L$ $ \mathfrak{p}$-進完備化 $ \widehat{(\mathcal{O}_L)_\mathfrak{p}} $ の同型を誘導する。 これを以下仮に $ \hat F$ と書くことにする。
  3. $ \mathcal{O}_L$ $ \widehat{(\mathcal{O}_L)_\mathfrak{p}} $ の中の $ \mathbb{Z}$ の整閉包であるから、 $ \hat F$ で保たれる。すなわち $ \hat F$ $ \mathcal{O}_L$ の同型を誘導する。 これを以下仮に $ F_{\mathcal{O}_L}$ と書くことにする。
  4. 不分岐の場合、 $ F_{\mathcal{O}_L}$ $ \mathcal{O}_L$ の商体 $ L$ の自己同型を誘導する。 これを以下仮に $ F$ と書くことにする。

まとめると、 $ L,\mathfrak{p}$ が与えられると、$ L$ の自己同型が与えられることになります。 この自己同型を

$\displaystyle \left(\frac{L/\mathbb{Q}}{\mathfrak{p}} \right)
$

と書くことにします。(Artin 記号)