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グラフから見た対数関数の多価性

指数関数のグラフが見えて来たでしょうか? 指数関数のグラフを見ると、対数関数の多価性は次のように説明できます。

対数関数とは、指数関数の逆関数ですから、 前節の言葉を借りると、お姉さんの影からお姉さんが螺旋階段の どこにいるかを当てるということになります。 すぐわかるように、影からはお姉さんがどこにいるかを正確に当てることは出来ません。 同じ影でもお姉さんのいる高さに違いがあるかも知れないからです。

前章の、「対数の虚部(偏角)のとり得る値を制限することによって対数を 一価にする」という話を思い出してください。 この話を今の話で説明すると、「お姉さんの居場所を(例えば一階から二階の間に) 制限することによって、影からお姉さんの居場所を当てられるようにする」 ということになります。 しかし、もとの螺旋階段に比べると、《一階から二階までの間に制限された 螺旋階段》というのはきれいではありませんし、不自由な感じがします。

「何で私がこんなところにいると決められなきゃいけないの」

と、お姉さんに怒られそうです。

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Yoshifumi Tsuchimoto
2000-04-12