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$ A_R$ の生成元の満たす関係式

以下、$ A_R$ の表現の一つをとって、$ H$ と書くことにする。$ H=0$ では 面白くないので、以下 とする。

まず、

$\displaystyle e_{ij}=z_i\overline{z_j}
$

とおくと、$ e_{ij}$ は以下のような交換関係を満たす。 $ e_{ij}$ は次のような関係式を持つ。

  $\displaystyle [e_{ij},e_{kl}]=\delta_{jk}e_{il}-\delta_{il}e_{kl}$    
  Plucker の関係式の非可換版に相当$\displaystyle )$    
  $\displaystyle \sum_{i=0}^n e_{ii}=R$    
  $\displaystyle e_{ij}^*=e_{ji}$    

とくに、 最初の交換関係は $ {\operatorname{GL}}_n({\Bbb C})$ の Lie 環 $ gl_n({\Bbb C})$ の 交換関係と同じである。 言い替えると、

\begin{displaymath}
\text{($gl_n({\Bbb C})$ の普遍展開環)}\to A_R
\end{displaymath}

なる全射環準同型が存在する。

したがって、$ H$ は、 $ gl_n($$ \mbox{${\Bbb R}$}$$ )$ の表現であって、 上述の関係式を満たすものである。

Lie 環の表現を良くご存知の方にとってはここまでで十分のような気もするが、 次の小節以降少し続けてみよう。



平成16年8月24日