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: 有界性 : 環 の -表現 : 環 の生成元の満たす関係式

$ e_{ii}$ の正値性の確認

$ A_R$$ *$ 表現を考えるにあたって、 もともと、環 $ A$ においては であるから、 気分的には $ e_{ii}$ は正であることを仮定しても良いような気もする。 しかしこのことはわざわざ仮定しなくても必然的に出て来る。 この小節ではそのことを説明しよう。

だから、$ H$ は二つのヒルベルト空間の直和である。

$\displaystyle H=H^+\oplus H^-
$

$ H^+$ 上では、 $ \{e_{ii}\}_{i=0}^n$ はそのことごとくが正値であり、 $ H^-$ 上では、 $ \{e_{ii}\}_{i=0}^n$ はそのことごとくが$ -1$ 以下の作用素である。

$\displaystyle \sum_{i=0}^n e_{ii}=R>0
$

と仮定したから、今の場合には $ H^-=0$. すなわち、$ H$ 上で である。

注意

本題からは外れるが、$ R<0$ のときは逆に である。このときには

$\displaystyle A_R\ni e_{ij} \mapsto -(\delta_{ij}+e_{ji}) \in A_{(-R)}
$

なる同型の存在によって、$ R>0$ の場合に帰着できる。



平成16年8月24日