next up previous
: 置換行列 : その1:基本列ベクトル : その1:基本列ベクトル

巾零行列 $ N$

次のような ($ n\times n$) 正方行列はよくでてくる。

$\displaystyle N=
\begin{pmatrix}
0& 1 & 0 & 0&0& \dots &0 &0 & 0 \\
0& 0 & 1 &...
... & 0 & 0& 0& \dots &0&0 & 1 \\
0& 0 & 0 & 0& 0& \dots &0 & 0 & 0
\end{pmatrix}$

(つまり、主対角線の一つ上が、$ 1$で、それ以外が 0.)

この行列については基本ベクトルの行き先をみるのが特に有効である。 列ベクトルを見ることにより、容易に次の関係を見ることができる。

% latex2html id marker 2661
$\displaystyle N e_1=0,
\quad N e_2=e_1 ,
\quad N e_3=e_2 ,
\dots,
\quad N e_{n-1}=e_{n-2},
\quad N e_{n}=e_{n-1}.
$

つまり番号が一つづつずれるのである。$ e_1$ だけは例外で、これは 0 に写される。 (これを称して、$ e_1$$ N$ を施すと消されるとか、死ぬと 表現することがある。若干物騒な表現ではある。) $ N^2$, つまり $ N$ を2回施した結果はどうだろうか。 番号は2つづつずれて、$ e_1,e_2$ は 0 に写されることがわかるだろう。 つまり、

% latex2html id marker 2677
$\displaystyle N^2 e_1=0,
\quad N^2 e_2=0 ,
\quad N e_3=e_1 ,
\dots,
\quad N e_{n-1}=e_{n-3},
\quad N e_{n}=e_{n-2}.
$

このことは、$ N^2$ が次のような行列であらわされることを示している。

$\displaystyle N^2=
\begin{pmatrix}
0& 0 & 1 & 0&0& \dots &0 &0 & 0 \\
0& 0 & 0...
... & 0 & 0& 0& \dots &0&0 & 0 \\
0& 0 & 0 & 0& 0& \dots &0 & 0 & 0
\end{pmatrix}$

同様にして、$ N^3$,$ N^4$ なども計算できる。 $ N^k$ は基底を $ k$ だけづらすことになるわけだ。(ただし、 $ e_1,\dots,e_k$$ N^k$ で消されることになる。) $ N^n=0$ であることに、特に注意しよう。



平成15年1月30日