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: 環 の表現と -加群との対応 : -表現以外の環 の表現 : が正の整数の時

微分作用素の層との関係

前小節の最後で、 $ \mathcal O(R)$$ H_R$ との関係が出て来た。 $ C^*(A_R)$ $ \mathcal O(R)$ 上の微分作用素のなす層 $ \mathcal D_{\mathcal O(R)}$ のグローバルセクションと見倣すこともできる。 (ただし、$ *$-構造は今しばらく忘れておく必要がある。) もちろん、 $ \mathcal O(R)$ がラインバンドルとして意味をなすためには $ R$ は整数でなければならない。しかし $ \mathcal D_R =\mathcal D_{\mathcal O(R)}$ を ( $ \mathcal O(R)$ への作用を忘れて)単なる環の層として眺めてみると、 実はこれは $ R$ が任意の実数でも定義をすることができることが知られている。 ([1] [2]) 一般の実数 $ R$ に対して、「$ R$-次斉次なregularな関数」は存在しないのだが、 $ \mathbb{P}^n({\Bbb C})$ 上で analytic topology について local には $ \mathcal O(R)$ の元にあたるものが存在する。 それに対する微分作用素を $ \mathbb{P}^n({\Bbb C})$ に おろして来たのが $ \mathcal D_R$ だと見ることができる。

このことを考えると、 《 $ A_R$ $ \mathbb{P}^n({\Bbb C})$ 上のグローバルなオブジェクトとして は捉えられないが、 $ \mathcal D_R$ がその類似物を提供している》 と見ることもできる。次の小節でこの点について少し補足することにしておこう。

(ただし $ *$ に関する対称性から見れば この見方が完全に満足のいく見方とは言いがたい。 むしろ、$ *$ に対する $ A_R$ の対称性は、 $ \mathbb{P}^n({\Bbb C})$ 上の特定の加群の層に対して、 双対性(Fourier変換にあたる) を定義していると見ることもできる。)



平成16年8月24日