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: 正標数のWeyl 環の自己準同型 : :


Weyl algebra

DEFINITION 4.1   可換環 $ k$ 上の Weyl 代数 $ A_n(k)$ とは、 次のように定義される $ k$ 上の(非可換結合的) 代数のことである。

$\displaystyle A_n(k)=k\genby {
\xi_1,\xi_2,\dots,\xi_n,\eta_1,\eta_2,\dots,\eta_n}
/(\eta_j\xi_i-\xi_i\eta_j-\delta_{ij}; 1\leq i,j\leq n),
$

(where $ \delta_{ij}$ is the Kronecker's delta.)

$ A_n(k)$ という記号の $ (k)$ の部分の言い訳をしておこう。 これは ind-scheme の $ k$-値点の意味である。 $ k$ をいろいろ変えて眺めてみたいので、このような記号になった次第。 じつはこれは「第二量子化」などの考えの影響を受けていて、 環の元自体が観測の対象になるような理論になることを予定している。 そこまで考えを進めたときに、$ k$ として非可換な環を考えるとどうか。 $ k$ の元と $ \xi,\eta$ と可換と仮定してよいものか。 それらの問題は大事である。しかしここではとりあえず $ k$ は可換環であるとしておこう。とくに $ k$ が可換体のときを主に考察する。

$ A_n(k)$ の中心 $ Z_n(k)$$ 2 n$ 個の元 $ \xi_1^p,\xi_2^p,\dots,\xi_n^p,\eta_1^p,\eta_2^p,\dots,\eta_n^p$ を 自由生成元として持つような $ k$ 上の多項式環と同型で、 $ A_n(k)$ 自身は $ Z_n(k)$ 上の matrix bundle の section の全体と 同一視できる。





平成17年5月17日