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数学を勉強している学生さんへ

常日頃思っているのですが、数学の勉強法が間違ってるのではと思う学生さんが増えてるようです。僕から見たらとんでもない方法でしている人を多く見かけます。本人はいたってまじめで先生の言われるように問題をいっぱい解いて解法をマスターしようと頑張っています。 先生が問題をたくさん解きなさいというのは解法を覚えるためではなく、新しい概念を理解するためです。「なぜそうなるのか」を常に考えながら問題を考えれば新しい概念の色々な意味が分かってきます。で、忠告ですが、解法を覚えるために問題を解くのならやめたほうが良いと思います。実際、社会に入ってからは役に立たないことでしょう。新しい概念を理解するために問題を解き、その概念が理解できれば、その分野での応用も出来るでしょうし、実社会でも新しいものをすぐに理解する方法が身についているので何にでもすぐに対応でき、数学をしてきたという意味が出てきます。 さらに「分かる」という言葉の意味が実感できれば試験に出る数学自体もそんなに難しくも無いと思います。 間違った勉強法をしている人は僕はいつも驚くのですが、問題の意味も知らずに解いているのです。例えば 「√2は有理数でないことを示せ。」という高校では良く扱われている問題ですが、 有理数とは何かを知らずに答えを覚えているようです。 実際の解法は「√2が有理数なら √2=r/s (既約分数)と表せるがこれが成り立てば既約分数に矛盾する」となりますが、なぜ「√2が有理数なら √2=r/s (既約分数)と表せる」のかを分からずにしているようです。またこれは有理数以外の実数があることやそれがどんなものかの一つの例を挙げてるわけですがそんなことにはまったく目を向けてはいないようです。最近、「新井紀子著:生き抜くための数学入門:理論社 (2007-02-05出版)」を眺めたのですが、円周率の定義を知らない人がどの分野の人でも9割を占めるとありました。これは僕の経験と合うので面白く読めました。円周率の定義が分かれば円周は直径×円周率で計算できることの証明は自明ですね。
将来にも役に立つ勉強法を身につけてください。


ここより下も開設時2000年7月28日のまま




猫について

僕の母の名前はタネコ です。妻は自分がネコだと思っています。 息子は「マオ、マオ」と呼ばれています。なぜかネコが気になります。

数学について


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Last update: 2007年4月6日
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