素数全体に渡るはなしと積公式

$ L$ $ \mathbb{Q}$ の有限次ガロア拡大体とします。

素数 $ p$ ごとに、 $ p\mathcal{O}_L$ の素因子 $ \mathfrak{p}$ を考えることができます。 $ \mathfrak{p}$ は複数あるのですが、それらは $ \operatorname{Gal}(L/\mathbb{Q})$ で共役で (中級環論)、以下で述べる議論には効いてこないので一つとって固定します。 $ \mathfrak{p}$ のことを 書くのが面倒なのでとりあえず $ p$ と同じ記号で書きます。

素数だけではなく無限遠点をひとつだけ加えたところを考えねばならないのです。 $ (\alpha_2,\alpha_3,\dots, \alpha_p,\dots )$ というイデール群の元に対して 各素数での寄与の積を取ります。

      $\displaystyle (\alpha_2,\alpha_3,\dots, \alpha_p,\dots, \alpha_\infty)$
      $\displaystyle \mapsto$
      $\displaystyle ( (\alpha_2,L_2/\mathbb{Q}_2)\cdot (\alpha_3,L_3/\mathbb{Q}_3)\cd...
...\alpha_\infty),L_\infty/\mathbb{Q}_\infty) \in \operatorname{Gal}(L/\mathbb{Q})$

これはArtin写像とよばれます。 Artin 写像で $ \mathbb{Q}^\times$ を送ると $ 1$ になる、 というのが積公式で、

次の定理は Artin の相互法則と呼ばれます。

定理 6.2 (statement は ノイキルヒ(代数的整数論)   定理5.5)から引用) 任意の有限次代数体の Galois 拡大 $ L/K$ に対して、 標準的同型

$\displaystyle G(L/K)^{\operatorname{ab}} \cong C_K/N_{L/K} C_L
$

が存在する。