余談: 代数体の自己同型としてのFrobenius写像etc

本稿では殆どは標数 $ p$ $ \mathbb{F}_p$ 上の話をするのですが、 ちょっとだけ $ \mathbb{Q}$ とその代数閉包 $ \bar \mathbb{Q}$ の話を書いておきましょう。 本格的には「類体論」ということになるわけですが、 類体論の書物は良いものがたくさん出ているので ここではアバウトなことのみ書いておきます。 (この節は特に書きかけの度合いが高くなっています。)

$ L$ $ \mathbb{Q}$ の有限次ガロア拡大、 $ \mathcal{O}_L$ をその整数環とします。 $ L$ $ \mathbb{Q}$ 上単純拡大です。すなわち $ L=K(\alpha)$ となる $ \alpha \in L$ が 存在します。(標数ゼロの有限次代数拡大に関するガロア理論). $ \alpha $ $ \mathbb{Q}$ 上の最小多項式を $ u$ と書くと、 $ u$ $ \mathbb{Z}[1/d]$ 上定義される一変数多項式です。

さて、 $ \mathfrak{p}$ $ \mathcal{O}_L$0 でない素イデアルとします。 $ \mathcal{O}_L/\mathfrak{p}$ の標数を $ p$ とおきます。 $ d$ の約数ではない $ p$ に対して、 $ u$ modulo $ p$ が考えられて、 その分解のしかたが $ p$ にどう依存するかが大事になります。

$ u$ の判別式が $ p$ の倍数の場合は $ u$ が modulo $ p$ で重根を持つことになり、 特別の注意が必要になります。このような場合を「分岐する場合」 それ以外の場合を「不分岐の場合」と呼びます。

本稿ではおもに $ p$$ u$ などに比べて十分大きい場合を考えたいので、 不分岐な場合を考えることが多くなることになります。が、「類体論」 の精緻な世界では分岐する場合も合わせて考えないとうまく説明できないことも 多いので、この節ではほんのちょっとだけ分岐の場合も 述べることにします。



Subsections