$ r$:一般,可換な場合

$ \{A(t)\}$ が可換な場合、すなわち、

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$\displaystyle [A(t), A(s)]=0 \qquad ($$t,s$ の有理式として$\displaystyle )
$

の場合を考えましょう。両辺を微分することにより、 $ A(t)$ の微分たちもそれぞれ可換であることがわかります。

この場合の話は、本質的には $ r=1$ の話の繰り返しになります。

Jacobson の公式により、

$\displaystyle (\eta^p+A(t))^p=\eta^p+ A(t)^p -A^{(p-1)}(t)
$

で、$ p$-curvature は $ P_A=A(t)^p-A^{(p-1)}(t)
$ です。 $ c\in \bar \mathbb{F}_p$ にたいして、$ c$ でのpole の位数を考えると、 $ A$$ c$ で pole を持ったとしてもたかだか 1位であるということがわかります。 さらに、$ c$ において

$\displaystyle A(t)=\frac{A_c}{t-c}
+$($c$ で正則な部分)% latex2html id marker 4355
$\displaystyle \qquad( A_c\in M_r(\bar \mathbb{F}_p))
$

と書くと、

$\displaystyle P_A=\frac{A_c^p-A_c}{(t-c)^p}
+$($c$ で正則な部分)

となって、結局 $ A_c^p=A_c$ でなければならないことがわかります。 これは $ A_c$ の最小多項式が $ \lambda^p - \lambda$ の約数でなければ ならないことを意味しますから、$ A_c$ の固有値は $ \mathbb{F}_p$ の元で、 なおかつ$ A_c$ は対角か可能であることがわかります。

$ \{A_c\}_c\in {\bar F_p}$ は全て可換ですから、これらを 同時対角化することができます。けっきょく、最初に述べたとおり、 これは $ r=1$ の場合の直和と同型であるという結論が出るわけです。