-加群の全体
module
はもちろん
-線型 abel 圏である。
さらに、
-線型 abel 圏
がaugmented であるというのを、
module
から
への
-共変函手が与えられているときに
いうことにする。(これは筆者が付け加えた定義である。)
さすがに ``non commutative algebraic space of finite arithmetic type'' という語は長すぎるので、以下では pre NCASと呼ぶことにする。 (``finite arithmetic type'' のところが訳されていないが、これは この文では常に仮定するので省いていると思って頂きたい。)
上の pre NCASのあいだの morphism は、
これらのデータと可換になるようなものとして定める。
もっと具体的にいうと、次のようになる (little NC 代数空間の
射は、想像がつくだろう(スキームの射の定義を思い浮かべればよいだろう。)
からここでは省略する。)
以上の定義は例を見てはじめて真価がわかる。
可換なものが付随しているので、pre NCASが 「localization, etale, smooth」 などの定義が かなり想像しやすい。
例えば、 が smooth であるとは、各
に対して、
が smooth で、 なおかつ、
が
上
-加群として有限階数の自由加群
であるときに言う、とやればよい。ただしもう少し条件を追加したほうが
よいと思われる(例えば、
が
によらずに決まるある代数空間
の
に係数を落としたものになっている
という条件を課したほうがよいかも知れない等々。)
のも確かなので、ここではおくことにする。
pre NCASのなかでも基本的と考えられるのが、affine なもの、すなわち
ある
-代数
があって、
が (
-modules) であるようなものである。
もっとも、どんな にたいしても
modules
が pre NCAS
になるわけではない。(4.2節)
ここで扱いたいのは、微分のなす環や、それに近いもの、なかでも
Weyl環(4.1節)や半単純 Lie 環の普遍包絡環
(4.3節)である。
としては、
の中心の
を採るのが自然である
ようにもみえる。
実際、Weyl 環ではそれでよいのだが、
が、半単純 Lie 環の普遍包絡環の例では
そうでもないようである。
もうすこしいろいろな例について研究することが必要であるとおもわれる。
以下では幾つかの例について、アファインな pre NCASとその「貼り合わせ」 のときにどのようなことが起こりそうかを中心に見ることにする。